推薦入試・AO入試の仕組みと現状

大学入試の仕組みと現状 推薦入試・AO入試の仕組みと現状 センター試験とは?
センター試験の主な特徴 国公立大のセンター試験利用 私大のセンター試験利用
センター試験の出題科目
と平均点利用
センター入試過去問  
推薦入試には「早期に進路を決定できる」「受験チャンスを増やせる」等の魅力があります。推薦入試、その仕組みについて解説します。

1. 推薦入試はどのようにして行われるのですか?

 11・12月をピークに実施されます。国公立か私立か、指定校か公募制かなどによって日程や条件・選抜方法が異なります。

推薦入試を実施する大学・学部は今後も増加する見込みです。基礎学力のほかに、高校生活の充実度や入学後の意欲なども評価する制度の重要性を大学が認めているためです。志望大学・学部で実施していれば、受験機会として視野にいれておくのもひとつの手でしょう。

 推薦入試の受験については、高校の先生と相談してみましょう。地元大学の最新情報は高校へ発信されていることがよくあります。 

方式等 概要 専併願 合格率など
指定校推薦
(私立大学)
大学が高校と協定を結び、人数を指定する。指定されていない高校からは出願できない。 専願のみ 条件をクリアできれば非常に高い
公募制推薦
(私立大学)
評定などの条件をクリアすれば、どの高校からでも出願できる。 併願可もある 低いが、専願は比較的合格率が高い大学も
自己推薦
(私立大学)
公募制と似ているが、高校を通さずに出願できる。自分のアピールをする自己推薦者が重要視される。 専願が多い 専願でも合格率は低い
国立大学 公募制でかつ評定の基準が高い大学が多い。センター試験受験が必要な大学と不要な大学がある。 専願のみ センター不要は高倍率、必要な場合も難しい
公立大学 国立と似ているが、同じ都道府県内からしか出願できない大学が比較的多い。 専願のみ 国立大学とほぼ同様

 ■入試のかなめ「評定平均」

国公立で4.0以上、私立で3.5以上がおおよその目安。

書類審査で重要な役割をになう「調査書」。これは受験大学に必ず提出しなくてはならないもので、「受験生の履歴書」と言えます。なかでも、高校での成績を示す「評定平均値」は推薦入試における評価のかなめとなります。これは学力を測る評価材料として有効だとされているため、多くの大学が出願条件に基準値を指定しています。全体の評定平均値は、高3の1学期までの全教科科目の評定を合計して、科目数で割った数値です。

■選抜方法は「書類審査・面接・小論文」が主流。

大学により学科試験もあり。

選抜方法は大学により様々ですが、「学科試験は課さないように」という文部省通達により、書類審査・小論文・面接が主流となりました。しかし、小論文には様々な形式があり、英語の読解や数学・理科の問題など、学科試験といえる内容のものもあります。また、「適性検査」「基礎学力テスト」といった名称で実質学科試験を課す大学もあるので、過去問をベースにした対策が必要です。

代表的な選抜方法
  • 書類審査のみ
  • 書類+面接
  • 書類+小論文
  • 書類+面接+小論文
  • 書類+面接+学科試験

■推薦入試受験生も勉強はしっかり

「推薦狙いだから」といって勉強の手を抜くことは感心できません。高校での成績はもちろん、「大学での勉強に対してどのくらいの意欲をもっているか」というところまで厳しくチェックされるからです。学科試験の不要な人でも、英語などの基礎力強化を中心に、休まず勉強を続けることをおすすめします。

 推薦入試受験のおおよそのスケジュール

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2. 面接試験の項目別アドバイス

 ■面接試験のポイント

  1. 高校生活(課外活動)
    ■高校時代にできたこと・できなかったこと・・・

    何かに打ち込んできたという積極的な自分を伝える。またその中で何を得たかということも大事。高校生活にこだわらず探してみよう。課外活動は高く評価される。部活に所属していなかった人でも、「部活動には参加していません。しかし・・・」と得意分野につなげられるとよい。

  2. 将来
    ■今の時点で考えていることを素直に

    将来に前向きであることと、志望学科への適性を持っているかということがポイント。「”まだ決めていない”か。これから探していこうという姿勢が一番だね」という風に、白紙の状態が好評であったという実例もある。決まっていない場合も、どのような職種に興味があるかだけは絞って答えられるようにしておこう。

  3. 大学志望動機
    ■「知り合いが通っている」などと答えると、結構追及される。

    高校の先生など、他人から受験をすすめられるのはよくあること。しかし、志望動機ではそれは述べてはダメ。あくまでも自分で選んだことを強調するべき。「大学のイメージ・特徴」を聞かれることがあるので、大学の概要は必ず知っておく。誉め過ぎには注意。特に、AO入試では、入学を希望する大学の「教育方針やカリキュラムを理解しているか」どうかは決定的なポイントになる。オープンキャンパス・大学見学会に参加するのが一番だが、参加していない人は個人的に大学見学に行くか、パンフレットを熟読しよう。

  4. 志望学部学科
    ■「就職のために」ということを強調しすぎるのは×。

    この学科がどう自分に合っているのか、何を学びたいかが具体的に言えるようにしておくのが基本。「何となく」というのはもちろんダメだが、「就職のため」というような、大学を単なる窓口・手段としか見ないような考えも差し控えること(看護系などは別)。志望学部学科に関する話題は、専門的なことに多少自信を持って答えられる程度にしておけると、なお良い。「機会が与えられたら、教授に何を質問してみたいか」も考えておこう。

  5. 志望学部・学科
    ■戸惑わず、客観的に。

    「どうして理系なのに数学が良くないの?」、「経済学部は文系だけれど数学は必要だよ」などといった質問にも明るく答えられるように。実際にその教科が苦手かどうかよりも、自分を客観的に評価できているか、苦手科目にどのように取り組んできたかということをチェックされるのだ。

  6. 自宅からの交通の便・所要時間
    ■「ちゃんと通える?」「寮?」「一人暮らし?」

    当日の経路・所要時間は覚えておこう。遠い人はさりげなく、「休まず頑張って通う」、「合格したら一人暮らしの許可を親から得ている」などとフォローを加える

  7. テスト
    ■堂々とした応対を

    大抵は「出来はどうだった?」と聞かれる程度。たまに「小論文の問題文の要約を」、「どのような出題を予想していたか」などと聞かれるパターンもある。詰まったりせず、ハキハキと明快に答えよう。

  8. 入学後
    ■「サークル」も可だが、「どんなサークルか」まできちんと。

    「学生の本分は勉強」であることは当然だ。例えば「是非『近代文学研究会』に参加したい」というような、志望学科に関係する真面目な答えももちろんいい。でもそれだけではなく、入りたいサークルなどもちょっと具体的に考えてみよう。「アルバイトに励みたい」というのは×。期待されているのは大学生活に対する積極的な参加なのである。

  9. 時事問題
    ■自分の志望学部・学科に関係あるものには特に注目しておく。

    新聞は必ず読んでおくこと。志望学部・学科に関する時事問題は必須である。その出来事から何を感じ、どう思ったかを言えるように関心をもって読むことを心がけよう。

  10. 高校
    ■「今の高校を選んだ理由は?」

    高校に対してどのように関わってきたかということが問われる。高校受験の頃から今までを振り返って、復習しておこう。校則やカリキュラムに対する質問から、詳しいところでは創立年度や、大学進学状況などが聞かれる。校章の由来が聞かれた例もある。知らないことを聞かれた時は素直に認めるしかないが、「無関心であった」という印象を持たれてしまうことになるので注意。

  11. 読書
    ■質問されて考え込んではいけない。何を読んだかが問題ではない。

    普段あまり本を読まない人も、この質問に対しては準備をしておいたほうがいい。あまり学問的なことを熱く語る必要はないが、「どういう内容に心を打たれたのか」ということについては、答えられるようにしておこう。

  12. 調査書
    ■評価だけでなく・・・

    履修科目や課外活動・出欠の状況(幼児教育・医学部系は、健康面を特によく聞かれるようだ。)など、結構多くの質問が調査書を参考に行われる。聞かれそうな内容をシミュレーションしておこう。照れや戸惑いのない積極的な態度が評価される。

  13. 長所・短所
    ■「その短所をどうやって改善しようと思っている?」

    面接官が求めているのは何だろう。長所・短所を聞くのは、あなたが自分自身を客観的に見られるくらいしっかりしている人物かを見極めるため。前向きな姿勢を見せることができるように、短所に関しては「これからどのように克服していきたいか」も話せるようにしておこう。

  14. 家族
    ■家族を通して自分を語る。

    面接官は、家族に対してあなたがどのように接しているか、どんな思いを持っているということを知りたいはず。別段ドラマティックに話す必要はないが、自分を含めた家族の雰囲気が伝えられるよう、練習してみよう。

  15. ボランティア経験
    ■経験を通して何を学んだか。

    経験者は好感触を得られるチャンス。実体験を詳しく思い出しておこう。したことのない人はその通り素直に。そして「合格したら(大学に行ったら)・・・・・をしたいと考えています」などと答える。

  16. 自己紹介
    ■経験談を交えること。

    AO入試・自己推薦入試を受ける人は特に大事だ。積極的な自分を自然にアピールできるように準備しておこう。持ち時間が長い場合は、これからの自分像についても話せるようにしておく。「大学生活になじんだ3年後の自分」、「進路を決定した5年後の自分」を実際に考えてみよう。

  17. 校風
    ■自分にどのように影響したか。

    校風に対しては、「明るい」・「厳しい」などという受動的な感想だけでなく、入学後の自分にどう関わってくるかを能動的に話してみよう。大学進学率や推薦入試受験者の比率などが聞かれることもある。戸惑わないように注意を。

  18. 合格したら・・・
    ■大学入学までの前向きな姿勢をアピール。

    勉強面と娯楽面の両方について、復習と予習(・・・つまり高校生活を振り返ることと大学入学に向けての準備)を考えておこう。正直に、「今まで受験一色だったのでゆっくり休みたい」と言いたいところだが、「気をゆるめすぎ」宣言は禁物。

  19. 尊敬する人物
    ■重要人物や突飛な人物を無理に挙げる必要はない。

    両親や身近な人物でもよい。むしろ「なぜか?」、「尊敬していることで、自分にどのような影響があるか」ということについて、具体的に語れることのほうが大切。

  20. テレビ
    ■情報番組は見ておいたほうがよい。

    ニュースバラエティー系番組でもOK。長時間見ているというニュアンスはよくないが、素直に答えるのが一番。また、面接官に「ドラマなんかは?」と聞かれた時には、やはり隠さず本当のことを話した方が良いだろう。(ただし、あまり番組のストーリーに熱中して、しゃべりすぎることのない程度に・・・。)

3. AO入試はどのように行われるのですか?

AO入試は推薦入試の一種で、従来の推薦入試のなかでは自己推薦入試が最も近い入試方式です。AOはAdmissions Office(アドミッションズ・オフィス)の略称で、日本語では「入学選考事務局」「入学事務室」などと呼ばれます。このオフィスは、自大学で学んでほしい学生の人物像など、入試による選考の方針、どんな学生を受け入れたいかを示す、受け入れ評価基準を定め、この方針に見合った学生を選考し、入学させることを仕事としています。

大学側が示す大学入学時に高校を卒業していることなど、ごく一般的な出願条件を満たせば、誰でも応募できる点が、推薦入試の公募推薦制に似ており、受験者は、自分がいかにその大学が求める理想の学生の条件を満たしているか、またその大学を理解しており、その理解に基づいて、入学の意志を強くもっていることをアピールする必要がある点で、自己推薦制に近い性格を持っていると言えます。

自己推薦制と違いがあるとすれば、自己推薦制では自らの能力や特性を、それがいかに優れているかをアピールすることが、入試においても重要となりますが、AO入試では自分の優れた点だけでなく、志望する大学・学部・学科の良さ、特性への理解を示すことが必要になります。そのうえで、いかに自分がその大学にふさわしく、期待に応えることができる存在であるかをアピールすることになります。

学力のみでは測れない人物の特性、その大学の方針に対する適合性、目的意識、志望動機、を重視するため、選考では面接、面談がもっとも重視されます。

AO入試を取り入れている大学は慶應義塾大学、早稲田大学など私大が大多数を占めていましたが、2004年の国立大学法人化以降、東北大学、首都大学東京、横浜市立大学、東京工業大学など国公立大学での導入も増える傾向にあります。また、後期日程の廃止に伴って、入学者の多様性を保つ入学方式として、AO入試を導入する国公立大学は、今後も増えていくでしょう。

なお、国公立大学のAO入試ではセンター試験を課し、面接・小論文などと合せて総合的に合否を判断する方式をとる場合が多くなっています。

>> 推薦・AO入試 傾向と対策

国立大が「推薦3割めやす」から「推薦+AO5割の範囲」に拡大。
公・私立大は「5割めやす」維持。
AO入試導入の大学・学部が急増、”第3の入試”に定着。

◆国立大が「推薦+AO5割の範囲」に拡大

 平成18年11月、国立大学協会から国立大の推薦入学の入学定員に対する募集人員割合について、平成20年以降、現行の「3割めやす」から「推薦+AO5割の範囲」に拡大することが発表された。(公立大・私立大は現在、推薦入試について「5割めやす」となっている。AO入試については現在まで規定がない)

 この改正により、平成20年入試から国立大の推薦入試やAO入試の募集人員が増加することが予想される。

 下の図は、推薦入試・AO入試の主なスケジュールを例として示したものである。推薦入試・AO入試とも一般入試に先行し、5月頃から選抜方法が発表され、6月頃から(各大学で開催される)オープンキャンパスや進学相談会での事前説明や案内が行われる。特に、AO入試はそのまま、7月頃からエントリー出願へと続いていく。

 推薦入試やAO入試の受験生は、上記の手順をふまえ、大学のスケジュールに合わせた”早目の準備”が必要だ。
 推薦入試の出願受付は原則として11月1日以降だが、10月下旬開始の大学もある。AO入試の出願受付期間には規定がない。
 選考日は、国公立大では推薦入試・AO入試とも、センター試験を課さない(免除)場合と、センター試験を課す場合(注1)とで大きく異なる。

 センター試験を課さない場合は11月中旬~12月上旬、センター試験を課す場合は1月下旬~2月下旬が多い。私立大の公募制推薦入試の選考日は11月中旬がピークだが、9月下旬から2月上旬まで長期にわたっている。

 

(注1)平成19年の国公立大推薦入試で「センター試験を課す」は58大学126学部、「センター試験を課さない(免除)」は133大学354学部。

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